要約:英語で一流を育てる 廣津留真理

要約:英語で一流を育てる 廣津留真理

こんにちは。皆さんは「廣津留真理」さんという方をご存知でしょうか?大分で幼児から高校3年生までが一緒に学ぶ無学年制の画期的な英語スクールを開校しており、「従来の受験英語」ではなく、「英語4技能(読む、聞く、話す、書く)」を「はじめから難易度の高い本物の英語を教える」という独自の「ひろつるメソッド® 」を提供、英語未経験の小学生でも大学入試レベルの長文が読めるようになる衝撃の指導を行っている方です。

実際に、その効果を最大限に体現した長女のすみれさんは、
・地方の公立小中高からハーバード大学へ現役合格し首席卒業
・その後、ニューヨークの名門であるジュリアード音楽院でも首席卒業
という驚異的な学歴をもっていることからも非常に注目されており、雑誌やテレビで最近注目されています。

そこで、今日はこの「廣津留真理」さんが書かれた、「英語で一流を育てる」という本のレビューをしていきたいと思います。

この本を読めば、
 ・「ひろつるメソッド」とは何か
 ・「ひろつるメソッド」の実践方法

がわかるだけでなく、子供のやる気スイッチの押し方までわかります。
 ・子どもの英語教育に興味がある方
 ・ご自身の英語力アップに興味がある方

には、読んでいただきたい一冊です。

『英語で一流を育てる』の概要

この本ですが、まず見開き1ページ目に
 地方の普通の小学生が
 わずか半年で高校1年の英語教科書をよめるようになる
 たった1年半で大学入試レベルもスラスラよめるようになる

というにわかには信じがたいメッセージが書かれております。

その後のプロローグで紹介されているレッスンの説明においても
・1週間に1回、たった75分のレッスン
・最初から難しい英語にチャレンジ
・教えず、解かず、テストせず、とにかく暗記する

という、従来の英語教育では考えられないようなことが記載されており、本文にいおいて、これらの具体的な内容について記載されております。

本書の構成ですが、まず、「なぜ一流は家庭で英語を学ぶのか」「勉強を強制しない。子供が興味を持ったものをどんどん引き出す」といった「英語の家庭学習の必要性」と「教育に関する考え方」を、ハーバード生を引き合いに説明しています。

次に、2020年度からの小学校における英語教育に関して、「中身が薄い」とぶった切り、その一番の原因は「12歳以下の子供たちに英語を教えるメソッドが存在しない」と著者は主張しています。

そして、それに対して従来の英語教育とは異なる「ひろつるメソッド」のコンセプト(文法不要、和訳不要、教えない)を紹介するとともに、2022年から高校で始まる「論理国語」は「英語を身に着けるための日本語」であり、習得が必須と述べています。

その後は、具体的な英語学習の進め方やコツ、考え方などがいろいろな例を交えながら示されておりますが、ポイントとしては以下の3つとなります。
 ・1日たった5分のらくらく「単語暗記法」
 ・小学生でも大学入試レベルがスラスラ読める「超・音読法」
 ・家庭で英語の「1分間スピーチ」が得意になる方法

いたるところで著者の情熱が伝わってくる内容となっております。以降では、それぞれの具体的な内容に関してご紹介します。

学校教育の否定と「ひろつるメソッド」のコンセプト

「ひろつるメソッド」におけるdo’s and don’ts

本書では「ひろつるメソッド」の詳細、具体的方法まで記載されておりませんが、具体的な英語学習の進め方やコツ、考え方などが随所にちりばめられておりますので、それをdo’s and don’tsとしてまとめてみました。

don’ts(1): 文法をやってはいけない

  • ひたすら大量に暗記する。文法や構文を考えずに丸暗記する。
  • 文法の勉強は逆に「邪魔」になる。英語の文章を1文読むたびに「これはbe動詞だからどうだ」「これは何々にかかる関係代名詞だからこうだ」ということをすると、優しいことを難しく考えることになる。
  • 文法問題は、採点しやすさという大人の都合
  • そんなことよりも、とにかくたくさんの英語を頭の中にインプットすること 英文を大量に暗記すれば、そこで使われている文法や構文は一緒に入ってくる。

don’ts(2): 和訳も英語力の邪魔になる

  • 和訳も不要。学校ではやたらと英文を日本語に訳させるが、むしろ英語習得のじゃまになる。英文を読んでも、その英文を”日本語で理解する”というやっかいなクセがつくから
  • 英文はざっくりといみがわかればよい。とにかく大量の英文を読む。その際、中身のある英文で自分の興味関心をそそられるものを読むことで、どんどんよめるようになる
  • 精読(細かく読む、熟読)したいときは別に

don’ts(3): 教えない、テストしない、復習しない

  • 教えない。理由は、このメソッドの基本は「暗記」と「多読」なので、教えることはなにもない。逆に、教えることはマイナスになる
  • できなくても、間違えても、とにかく先へ。どんどん進んでいくことで、達成感を覚え、自信をもつことを重視する

do’s(1): 英語は単語が9割!

  • 文法よりもなによりも、まずは単語をたくさん覚えることが大事
  • あなたが知っている単語の数と種類は、あなたがどんな人間かを決定する

do’s(2): 音読するだけで1石4鳥

  • 重要視しているのが「ひたすら音読すること」。なにより大きいのは、「自分で発音した英語を、自分の耳で聞くことができる」こと。これにより、つぎの3つの効果がうまれる。
    • 暗記しやすくなる
    • 英語の音に慣れる。さほど難しい英語なのに聞き取れない、とっさに英語が口をついて出てこなかったりするのは、耳と口が英語の音になれていないから。
    • 英語を英語のまま理解する習慣がつく
  • これにより、読む力を身に着けながら、単語の暗記も、聞く力も、話す力も鍛えられる。「単語・読む・聞く・話す」の悩みがすべて解決する

do’s(3): 英作文とは”英借文”!「暗記」が命

  • 英語4技能の中で、最も難易度が高いのが「書く」という技能。日本にずっと住んで日本語を使う日本人が、「ゼロから自分で考えて英文を書く」のはほぼ無理
  • 英作文は、英借文。どれだけ大量の例文(テンプレート)を覚えているかがかぎ
  • 「暗記」なしに、いきなり作文・ディスカッション・交渉などの授業はない。たくさんの英文を暗記するほど、多くの英語表現がみにつきます。逆に言えば、大量の英文を読んで暗唱できれば、そこに出てくる単語や文法なども根こそぎ覚えられ、自分を表現する最強ツールになる

「論理国語」を先取りした「日本語B」

従来の日本は、互いが場の空気を読んだり、暗黙のうちに意を察しあえばなんとかなってしまう「説明が必要ない」社会でした。
一方、多種多様な民族や人種、文化が混在している国際社会では、コミュニケーションに「明確な断定」や「論理的な状況説明」「客観的な事実描写」などが求められる「説明が必要な社会」です。よって、一から論理だてて説明しないと、互いのバックグラウンドの違いから誤解が生まれ、誰もわかりあえません。
そのような背景から、「論理国語(著者は日本語Bと呼んでいます)」=「国際社会でも通用する論理的エッセンスをもった日本語」を学ぶ必要があり、「英語を身に付けるための日本語とも言える」と書かれています。

日本語Bのポイントは3つ。
 ①まず結論:言いたいことを先に言う
 ②必ず理由:論理的な「なぜなら」を示す
 ③事実描写:事実と意見を明白に区別して伝える
つまり、結論と理由と事実をはっきりと意識することが英語のコミュニケーションの大原則

家庭での日常的な親子の会話においても、「理由」を意識させると、子どもは自然と「日本語B」で考え、表現する習慣をつける練習になると書かれています。

ひろつるメソッドの具体例

以降では、紹介されているひろつるメソッドの具体例に関して、簡単にご紹介します

1日たった5分のらくらく単語暗記法

著者の教え子たちが園児や小1が週100語覚えられる、暗記嫌いの年長さんが2年で4000語をマスター、という事例も挙げている。具体的な暗記法はいかのとおり。
 ①音声に合わせて音読する:口と耳で覚える
 ②英語→日本語を交互に音読する:体で覚える
 ③書かずに「なぞり読み」する:目で覚える

すなわち、音声を聞きながら、音読と「なぞり読み」を一緒に行えば、「口、耳、目」と3つの角度から単語を覚えることができる

小学生でも大学入試レベルがスラスラ読める「超・音読法」

具体的な音読法は下記のとおり
①文章は見ない。音声だけで「シャドーイング」する:「音」を聞いて、再現に集中
②「オーバーラッピング」で”音読&なぞり読み”:指先に神経が集中して「目からも」覚えられる
③5分音読&なぞり読み
④親の前で絵本を見ずに「リビング」で発表会

やる気スイッチの押し方

最後に、英語教育とは直接関係ありませんが、その前提ともいえる、モチベーションアップの方法、やるきスイッチの押し方も本書で紹介されていますので、簡単にご紹介しておきます。

まずは、自己肯定感をたかめることが重要

子供を100%肯定する。すなわち、①笑顔で接する、②聞き上手になる、③一方的に非難したり、会話をさせぎったりしない、④感情的にならないように自分の顔つきや態度を抑制しましょう

そして、なによりたいせつなのは子供を肯定する前に、親が自分自身を100%肯定すること

そうすれば、子供は100%心を開いて、親にどんどん話しかける。親子で交わす毎日の会話で徐々に語彙をつい重ねると、膨大な単語帳ができます

子供がやる気になる”魔法のアクション” は「ほめる」こと

どんなに些細なことでも、親からほめられると、認められると、子供にとっては「自分はできた」という成功体験になる

小さな成功体験が積み重なっていくと、「自分はできる。もっとできるはず」 という自信が芽生える

自信が深まれば、もっとやる気が湧いてくる。ほめられるという成功体験でやる気スイッチがオンになり、子供はどんどん成長していく

まとめ

ということで、
今日は「英語で一流を育てる」の読書レビューを行ってきました。

従来の英語教育とは全く異なるメソッドですが、再現性があり、かつ結果がでているメソッドです。また、子供に対する英語教育では、「子供が興味を持たない・すぐ飽きる・やる気をみせない」といったことをよく聞きますが、それらに対する解決策も示している良書ではないでしょうか?(同じようなことがところどころ書かれて読みにくい点はありますが)
是非、みなさんも子供の英語教育や自身の英語学習に取り入れてみてはいかがでしょうか?いかに、書籍のリンクも貼っておきますので、詳細知りたい方はぜひ購入ください。