Apple(アップル)株価の今後の見通し:破壊的イノベーションを続けるテクノロジー企業。20年で約180倍で、今後も上昇期待

Apple(アップル)株価の今後の見通し:破壊的イノベーションを続けるテクノロジー企業。20年で約180倍で、今後も上昇期待

マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関して、「マネーマシンの作り方(基本編)」「マネーマシンの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンの作り方 ETFの選び方②」の中で述べました。基本はそれらで紹介したETFを組み合わせたポートフォリオである程度リスクを分散しながら、それなりのリターンを得ることができると思います。

一方で、ETFはリスクは小さい一方、リターンもそれなりになってしまいます。それに対して、個別株はETFを大きく上回るパフォーマンスが期待できるという魅力があります。ですので、初めはETFで慣れつつ、個別株を徐々に加え、ETF+個別株でポートフォリオを組むのが良いとと考えています。

本記事では、個別株ってたくさんあるけど、多すぎてどれにすればいいのかわからないなぁと思われる方向けに、注目に値する個別株の1つである Apple(アップル)をご紹介します。

Apple(アップル)とは?

企業概要

Apple(アップル)は、1976年にスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックによって創業されたテクノロジー企業です。当初はパーソナルコンピューターのメーカーとしてビジネスをスタートさせ、現在では、Mac、iPhone、iPad、AppleWatch、AirPodsなどの製品に加えて、iCloud、AppleMusic、ApplePayなどのサービスも展開している企業です。この記事を読まれている方の多くもiPhoneなどのApple製品を持ち、AppleMusicなどのサービスを利用した経験があるのではないでしょうか?2021年は、販売台数で世界第4位のパソコンメーカーであるとともに、スマートフォンメーカーとしても世界第4位です。また、Apple Musicは167カ国で展開されるなど、Apple社の製品およびサービスは我々の生活にとってなくてはならないものになっているといえます。

ミッション、ビジョン、バリュー

コンピューターのメーカーとして誕生したApple(アップル)ですが、いまでは多くの製品を出し、クラウドサービスも運営していますが、iPhone, iPad, iCloudなど、どれもイノベーティブで、デザイン、顧客満足にこだわる姿勢は一貫しているなと感じます。

このような一貫性はどのようにつくられたのでしょうか?Appleではいわゆるミッション、ビジョンというものは明示されておらず、会社のWebサイトなどにも掲載されていません。ただ、Appleから出される各種資料から同社の、ミッション、ビジョンが伺いしれますので、ここでご紹介させて頂きます。

〇ミッション
“To bringing the best user experience to customers through innovative hardware, software, and services.”
革新的なハードウェア、ソフトウェア、およびサービスを通じて、顧客に最高のユーザーエクスペリエンスを提供すること
※Form 10-kに記載されています。Form 10-kとは、SEC(米証券取引委員会)への提出が義務付けられている企業活動の年次報告書のこと。日本の有価証券報告書に相当します

〇ビジョン
“To make the best products on earth and to leave the world better than we found it.“
地球上で最高の製品を作り、この世を去る時には 生まれた時より 良い世界にする。

〇バリュー
Apple(アップル)は価値観として、以下の7つを定義しています。どれもAppleらしさは出ているかなと思います。
Accessibility
Education
Environment
Inclusion and Diversity
Privacy
Racial Equity and Justice
Supplier Responsibility

ジョブス=ミッション、ビジョン、バリュー?

一方で、Appleといえばなんといってもスティーブ・ジョブス(Steve Jobs)ではないでしょうか?1997年とかなり前になりますが、彼が説いたコア・バリューには、今のAppleに通じるものがあると思います。

また、そのころ公開されたのが、アップルのCM「Think different.」です。

CMにはアインシュタイン、ジョン・レノン、パブロ・ピカソといった世の中を変えた天才たちの映像と、次のようなナレーションが流れました。

「クレイジーな人たちがいる/はみ出し者、反逆者、厄介者と呼ばれる人たち/四角い穴に丸い杭を打ち込むように、ものごとをまるで違う目で見る人たち/彼らは規則を嫌う/彼らは現状を肯定しない/彼らの言葉に心を打たれる人がいる/反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる/しかし、彼らを無視することは誰にもできない/なぜなら、彼らは物事を変えたからだ/彼らは人間を前進させた/彼らはクレイジーと言われるが/私たちは天才だと思う/自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから」

このCMには、アップルが自社の製品やサービスを通じて社会に提示したい哲学が詰まっているのではないかと思います。
https://www.businessinsider.jp/post-189563

戦略およびビジネスモデル

Apple(アップル)の戦略、競合他社に対する優位性に関して、ブランド力やデザイン、ファブレスなど様々なものがあげられます。ここでは、その中でも特にアップルの事業成長に貢献している2つの戦略、「破壊的イノベーション戦略」と「プラットフォーム戦略」に関して解説します。

破壊的イノベーション戦略

アップルといえば、破壊的イノベーションを実践してきた企業といえるでしょう。特にジョブズが1997年にアップルに復帰後、iPodとiTunes、iPhone、iPad、Apple Watchなど、同社は顧客がまったく新しいと感じるもの、既存の製品にはできない方法で問題を解決するような製品を、繰り返し生み出してきました。

特に、その最たるものがiPhoneでしょう。iPhoneは携帯電話業界だけを破壊したのではありません。iPhoneは「単なる携帯電話」ではなく、「携帯機能も含んだ小型コンピューター」であることから、カメラメーカーやオーディオメーカー、PCの各業界を破壊しつくし、さらにはパソコンを使って仕事をする人々のワークスタイルとライフスタイルの両方を激変させてきました。

プラットフォーム戦略

破壊的イノベーションによって生み出された製品によって私たちのワークスタイルとライフスタイル双方が変化しました。その変化によって誕生した新たな成長市場、具体的には音楽/動画配信市場、ゲーム配信市場といったものにより、アップルはハードウェアによる収益だけではなく、サービスからの収益を獲得するにいたりました。そこでとったのがいわゆるプラットフォーム戦略です。

プラットフォームとは「関連する情報やサービス・商品を展開する土台となる環境」を指します。多くの関連する情報やサービス・商品を「土台(platform)」に乗せることで、自社だけで実現できる量をはるかに超えたサービスや機能の提供を可能にしています。この仕組みは、オンラインサービスだけのものではありません。例えば、大型ショッピングモールは出店する場を提供することで顧客を集め、モール全体の会員サービスやイベントを展開することで囲い込みを行っています。自社が商品を製造・販売することなく、出店企業から場の提供料金=テナント代を得ることができるショッピングモールはプラットフォームと同様の仕組みと言えるます。

アップルは「Mac」「iPhone」「iPad」などのデバイスを販売するとともに、「App Store」や「iTunes」といったプラットフォームを提供しています。「App Store」は、全世界の様々な企業や個人が開発したアプリのプラットフォームとなっており、「iTunes」は、様々な音楽コンテンツをデータとして配信・販売するサービスです。このプラットフォーム上で人々がアプリや音楽を買うと、30%がAppleに手数料として入ります。このプラットフォームサービス事業は年々順調に事業成長しており、2021年4Qのセグメント別の売上高構成比は、iPhone(47%)に続く、第2位としてサービス事業が22%を占めています。

Apple(アップル)の業績状況

続いて、Apple(アップル)の業績についてみてみましょう。アップルの直近5年の業績は以下のようになります。売上高は5年で約1.6倍、営業利益も約1.6倍と年率で約10%以上の順調な伸びを示しています。

また、事業ごとの売上・利益構造でいうと、iPhoneが約半分の売上、続くサービス事業が22%となっています。一方で、利益率でみると、ハードウェアの粗利益率は約30%であるのに対して、サービスの粗利益率は約70%と驚異的なものになっています。アップルもいつの間にか、サービスで利益を生み出す企業へと変革したことが数字でもよくわかります。

Apple(アップル)の株価推移

このように順調な成長を続けるAppleですが、次は株価の動向を見ていきましょう。

株価推移(2000年~)

まずは、2000年からの約20年間を振り返りましょう。ご覧の通りAppleはこの約20年で順調に株価が上昇しており、特に2010年以降と、2020年以降は大きく飛躍を遂げています。2000年初めは約1ドルだったものが、2010年初めは約7ドルと、微増の状態でしたが(それでも7倍ですが)、2018年には50ドルを超え、コロナをきっかけに約180ドルにまでなり、約20年間で約180倍、約10年間でも約25倍と驚異的な値上がりになっています。

なお2018年後半には一時大きく株価を下げていますが、これはAppleの業績以上に金利上昇やインフレ、トランプ政権下での米中貿易摩擦などへの懸念が影響したものと見られています。

株価推移(2020年~)

次に、大きな変動があった2020年以降の価格動向を見てみましょう。まず2020年は2月下旬の新型コロナショックで大きく下落したものの、3月以降は各国の金融政策の影響および我々のライフスタイルがデジタルへ急激にシフトした影響による需要増により、下落前以上に株価が上昇しています。1年足らずで約2倍になっており、驚異的な値上がりと言わざるを得ません。

ただ2020年9月以降は、上昇基調が続いているものの、その勢いは鈍化しています。これは、コロナ禍に実施されていた金融緩和の縮小、金利上昇が要因だと見られています。

株価推移(2022年~)

また、金利上昇が顕著になっている2021年後半からは、株価の勢いが鈍化しており、S&P500よりはパフォーマンスは良いというものの今までほどの大きな伸びはなく、FRBのタカ派が勢力を強める中、直近はこの傾向が続くと思われます。

Apple(アップル)株価の今後の見通し

約20年にわたり、驚異的な上昇を続けてきた一方、2020年後半から株価上昇のペースが現在落ち着いてきているApple株ですが、長期的にはまだまだ伸びていくと予想されています。

ドル箱のサービスの継続的成長

業績の部分でも述べましたが、Appleの利益およびキャッシュフローの大半を生み出しているのは、プラットフォーム戦略をとるサービス事業です。2021年度においても、その成長は衰えておらず、前年同期比で約+25%以上となっています。当初のアプリや音楽配信だけでなく、AppleTV+、Apple Arcade、Apple Payなど着実にサービスが充実されてきており、サブスクリプションの有料登録会員は約7億人を超えているまでに成長しています

自動車産業やAR事業への参入

2021年にAppleは、EV業界に参入し、2025年までに完全自動運転に対応できるEVを販売する予定と発表しました。また、近年アップルはAR(拡張現実)やVR(仮想現実)に力を入れていると言われており、2022年には「ARグラス」や「VRゴーグル」を発売するという噂も飛び交っています。ビジネスモデルの部分でも述べましたが、破壊的イノベーションにより新たな製品・サービスを作るとともに新しいワークスタイル・ライフスタイル、そして新たな市場を創造してきたアップルには今後も期待できると思います。

アナリスト評価

Appleの株価ですが、2022年2月時点で、約172ドルですが、アナリストの予想では、今後1年間で平均でも約191ドルと約10%の上昇となっています。

マネーマシンの第一歩を踏み出そう

以上がマネーマシンの作り方およびApple株の今後の見通しになります。やってみて学べることも多数ありますので、まずは少額でもいいので投資をしてみてはいかがでしょうか?私は、現物取引では「楽天証券」、CFD取引では「IG証券」を使っています。普通であれば「楽天証券」や「SBI証券」等でよいと思いますが、今後を見据えて多様な資産クラスの取引をワンストップ行いたいともう方は、「IG証券」でも口座を開設してみてはいかがでしょうか?

IG証券

※CFDとは「Contract For Difference」の略で、日本語に訳すると「差金決済取引」となります。簡単に言うと、「差額だけをやり取りする」取引のことです。利益が出たら利益分のみ受け取り、損失が出たら損失分のみを支払う形で取引を行うため、現物の売買は発生しません。

まとめ

本記事では、マネーマシンにおいて高いパフォーマンスを目指すための有望な個別株の1つとしてApple(アップル)をご紹介してきました。まとめますと、

  • 1976年にスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックによって創業されたテクノロジー企業。コンピューターメーカーからはじまり、 いまではクラウドサービス等、事業拡大が続く
  • 強さの秘訣は、「破壊的イノベーション」と「プラットフォーム戦略」
  • 事業は順調そのもの。売上高は毎年約10%の伸びを続け、営業利益も5年で約1.6倍
  • 株価も約20年間で約180倍。今後も値上がりが期待され、アナリストのコンセンサス予想は今後1年間で+10%

その他、いろいろなバリエーションも組めますので、是非ご自身の特性に合わせて商品を選んでみてはいかがでしょうか? マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関して、「マネーマシンの作り方(基本編)」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」の中でも述べているのであわせてみてみてください。