マネーマシンの作り方(基本編)

マネーマシンの作り方(基本編)

マネーマシンとは読んで字のごとく、「お金を生む装置」のことです。私たちは日々、「生活のため、お金のために働いている」「自分の時間をお金を稼ぐために使っている」状態だと思います。その状態が20代から60代まで、人生のほとんどの間続いてしまうわけです。本当にそのような状態は、私たちが望んだ状態でしょうか?子供の頃夢見たことでしょうか?

本記事では、そのような状態から抜け出し、お金に縛られずに本来自分がやりたいことをやるために、働かなくても「お金が入ってくる」「不労所得を得る」状態をもたらしてくれる、マネーマシンの作り方をご紹介します。 マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関しては、「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」の中で述べていますので、ぜひ合わせて読んでみてください

マネーマシンとは

何のために生きるのか?

繰り返しになりますが、私たちは、いつの間にかお金のために働いている状態になってしまっています。すなわち、私たちの最も大切な「時間」を切り売りして「お金」に変えている状態です。私の父もそうでした。3人の子供を一生懸命育てるために毎晩夜遅くまで働き、子供の成長に最も重要な0~6歳までの間、単身赴任していました。定年後、父がいつも「もっと子供たちとの時間を大切にしておくべきだった」と言っています。このようにならないために、私たちは「お金から解放される」ようにする必要があるとおもいます。

年収を増やしても「お金から解放されない」

それでは、「お金から解放される」ためにはどうしたらよいのでしょうか?会社で出世して給料をたくさんもらうことでしょうか?または、医者や弁護士、はたまたスポーツ選手や芸能人などになって何億もの年俸をもらうことでしょうか?

出世した人々には、給料にみあったストレスと長時間労働がまっていますし、スポーツ選手や芸能人も「旬」というものがあり、それを過ぎると得るお金は激減します。医者や弁護士も飽和状態で、昔ほど収入はありませんし、自分の時間を切り売りしていることとは変わりません。

以上のことからわかるように、「お金から解放される」ためには、「労働所得」を増やすことではないことがわかります。ポイントは「不労所得」、すなわち、いかに「働かなくても、お金を得ることができるか」が重要になります。

マネーマシンとは

「働かなくても、お金を得る」。夢のような世界ですが、現にそのような人々はこの世にいます。いわゆる「経営者」や「投資家」です。「経営者」は従業員を雇い、彼らに働いてもらうことによって収益を得ています。また、「投資家」は自分の資産を投資することによってリターンを得ています。これらの人々は、自分の時間を費やすことなく、極論すると亡くなった後も、「お金を生み出すマネーマシン」をもっているのです。

こう書くと、「そんなの限られた人々の話で、自分たちには夢のまた夢」という批判も聞こえてきますが、私たち一般人にもマネーマシンを作ることは可能でし、今すぐにでも作り始めるべきなのです。

例えば、私たち一般人でも頑張れば年間100万円は貯蓄可能とおもいます。それを、米国のS&P500に連動するETFに年間100万投資し、運用し続けていたとします。S&500のここ10年間の平均トータルリターンは約15%ですので、100万×10年=1000万円が、2000万円以上になっているのです。この調子であと10年もたつと、資産は1億円をこえ、この1億円を、高配当株にシフトすることで、年400万円ほどの配当金を得ることができるので、働かなくてもいい状況を作ることができるのです(この部分がチンプンカンプンな方は読み飛ばしていただいて結構です。あとで説明します)

以降では、私たち一般人でも簡単にできるマネーマシンの作り方(特に投資)に関して具体的な考え方と手順を説明していきます。

マネーマーマシンには、「株」「債券」が基本

投資とはリスクをとってリターンを得ること

マネーマシンを作るためには「投資」を始めることが重要と書きましたが、そもそも投資とは一体なんでしょうか?あらためて聞かれても…という問いかもしれませんが、あらためて定義からみていきましょう。

「投資」という言葉を辞書でしらべてみますと、
「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。」
のように書かれています。すなわち、利益=リターンを得ることが目的の行為になります。

当然の話ではありますが、では、なぜリターンを得ることができるのでしょうか?それは、価格変動という「リスク」を許容するからです。どういうことかというと、仮に市場金利(日本では10年もの国債の長期金利)が1%とします。その場合、「国債を買えば無リスクで1%の資産運用ができる」ということになります。その場合、投資家たちは「損するかもしれない投資はプラスで何パーセントか利益もらわないとやってられない」となるわけです。これが「リスクプレミアム」とよばれるものになります。「株式投資・不動産投資」など、リスクが大きいものはリターンも大きくなりますし、「預貯金・債券」などは、リスクが小さい分、リターンも小さくなるわけです。

リスクを恐れ投資しないと”負け”という真実

リスクや、投資したお金が減るかもしれないと書くと、やっぱり投資なんてしないで貯金しておこうという思うかもしれませんが、そのような人々の預貯金は知らず知らずのうちに目減りしていっていることになります。

理由は、インフレ、すなわち物価が上昇しているため、通貨の価値が相対的に下がり、結果として預貯金が目減りしているからです。世の中デフレと言って久しい状況ですが、日銀が2013年に2%のインフレターゲット(物価上昇の目標)を設定した影響もあってか、以下のように物価が徐々にあがっているのです。ほとんどの人の預金が、ここ数年、実質的には確実に目減りしているということになります。

消費者物価指数の前年比上昇率(全国総合指数)
2013年 +0.4%
2014年 +2.7%
2015年 +0.8%
2016年 -0.1%
2017年 +0.5%
2018年 +1.0%
2019年 +0.5%

リスクを恐れる必要はない。投資は勝てる戦い

投資しないと資産が勝手に目減りする、だから投資しないといけないと書くと、なんだかネガティブな感じにとらえられるかもしれません。

しかしながら、投資はそんなに難しくありませんし、勝てる(儲かる)戦いです。
その理由は、「人間は進化し、新しいテクノロジーや産業が生まれ、経済は成長しているから」であり、「どこか一点に集中するのではなく、広くリスク分散する」「短期的ではなく、3年や5年といった長期的スパン」という条件さえ満たせば、過去の歴史からみてもリターンを得てきたのです。

現に、S&P500というニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している企業の中から代表的な500社を選出したアメリカの代表的な株価指数は、リーマンショックやコロナの時は確かに下落していますが、ここ10年間の平均トータルリターンは約15%と十分なリターンを得ているからです。

やってはいけないマイナスサム投資「宝くじ」「競馬」「パチンコ」

それでは投資ならなんでもいいのかというとそうではありません。やってはいけないものとして、いわゆる「投機」「ギャンブル」というものに当たりますが、ここでは「プラスサム」「ゼロサム」「マイナスサム」という用語で分類したいと思います。

ゼロサムゲーム

プレーヤーの合計投資額を分配するゲームで、必ず勝つ人と負ける人が存在し、勝った人と負けた人の取り分を合計するとゼロになるゲームです。ビジネスの世界でもよくつかわれる言葉なのでご存じの方も多いのではないかと思います。

投資の例でいうと、FXや株のデイトレードなどが挙げられます。
厳密に言えば、FXはFX会社の手数料 (スプレッド)、株の売買手数料などあるので、若干マイナスサムですが、分類上はゼロサムゲームと言って差し支えないでしょう。

マイナスサムベーム

マイナスサムゲームは、プレーヤーの投資金額の合計よりも換金額の合計が少ないゲームであり、平均するとプレーヤーは損をするゲームです。このゲームに参加し続けることで、次第にみんなの資金が減っていくという救いようのないゲームです。

このマイナスサムゲームの例としては、宝くじ、競馬、パチンコなどが挙げられます。ゲームの賭け金の一部が胴元 (運営側)の懐に入るため、リターン、いわゆる「還元率」が100%未満となるゲームです。パチンコ還元率が80%、競馬は75%、宝くじにあたっては50%以下であり、「愚者の税金」などと揶揄されるゆえんだとおもいます。

プラスサムゲーム

プラスサムゲームは、プレーヤーの合計投資金額よりも還元額が大きいゲームであり、大きく勝つ人や大きく負ける人など濃淡はあるものの、平均すると全てのプレーヤーが勝つゲームです。

ここに当てはまるものとして、長期の株式投資や債券、不動産投資などが挙げられます。世界経済は成長を続けており、今後も成長し続けると考えられているため、企業業績の期待を織り込む株価も、基本的には右肩上がりになるという理屈です。

以上より、私たちの投資においては、株式投資や債券などの長期・分散投資を基本とすべきなのです。以降では、マネーマシンをつくるための投資戦略、おすすめとなるポートフォリオをご紹介します。

マネーマーマシンのおすすめ「ポートフォリオ」

ポートフォリオとは

投資先として「株」「債券」などがいいと書きましたが、実際の投資においては、ポートフォリオを組むことが重要です。

「ポートフォリオ」とは、金融商品の組み合わせのことで、「株」を7割、「債券」を3割といったことを指します。サッカーなどのフォーメーションとスタメン選びというとイメージが近いかもしれません。たとえば、今回の試合は攻撃的にいこう!(リスク承知でリターンを目指そう)という場合は、フォワード(海外株式)が多めで、ディフェンス(国内債券)が少なめというようになりますし、リスク回避で手堅いリターンを目指す場合は守備的なフォーメンション(=ポートフォリオ)を選ぶということになります。

ポートフォリオを組む上での重要事項

また、ポートフォリオを組むうえで考えるべき重要事項というのが2つあります。

1つめの重要事項が「分散投資」です。未来はだれにも予測できない、それだけは誰も否定できない真実です。だれも、コロナが広まるなんて予測できませんでしたし、これからの未来も予測できないことの連続です。よって、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券などをバランスよく投資しましょうということです。

2つめの重要事項が「長期投資」です。これはすでにお話しましたが、いろいろあったけど、人類は成長してきた、経済は成長している。だから短期的には下落するかもしれないけど、長期的にはしっかり稼げるということです。

ギャンブルではありませんが、一発逆転をねらってどこかに集中してベットするのではなく、コインをいろんなところにかける。短期的には負けるかもしれないけど、長期的にはプラスサムゲームだから、儲かるよということです。

マネーマシンのためのおすすめポートフォリオ

いろいろとご説明してきましたが、以降では具体的なポートフォリオ例をご紹介します。本来は年代別、リスク許容度によっておすすめとなるポートフォリオは変わりますが、基本的なものを2つご紹介します。

おすすめポートフォリオ(基本編)

分散を意識した基本のポートフォリオです。株式を60%、債券を40%、それぞれの内訳も国内、先進国、新興国で分散させたものです。これであれば、投資期間が5~10年といった長期スパンで、約5%前後というリターンを狙うものです。なかには「え?たった5%」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、銀行に預けておいても0.001%というご時世ですから、それとくらべると約5000倍(笑)と超おススメ投資ですし、複利の効果から約15年で2倍になる、初心者でも十分なリターンを得ることが可能なおすすめポートフォリオです。

おすすめポートフォリオ(ものぐさ初心者編)

ものぐさな初心者さん向け?の米国株を中心としたポートフォリオです。今現在、日本円の資産をもっていると想定される初心者さん向けに、まずは海外株式に投資することで資産を分散させようという考えです。また、S&P500というある意味米国株式のオールスターに投資することで、リスクはあがりますが、長期的に投資するという前提にたてば高いリターンを得れることが期待できるポートフォリオです。

投資ならインデックス投資、インデックス投資ならETF

投資信託のススメ

マネーマシンをつくるためのおすすめポートフォリオの中に株式がありましたが、ここでは具体的な株式投資方法に関してご説明いたします。

株式投資というと、IR/決算資料、四季報といった情報をもとに、PER,PBRなどの株価指標を使って、成長性や割安感を分析するファンダメンタル分析や、移動平均線やRSIなど、株価のトレンドやチャートパターンなどから今後の値動きを予測するテクニカル分析などあります。しかしながら、ファンダメンタル分析、テクニカル分析ともに時間に余裕のある人でないと難しいですし、かなりの経験や試行錯誤が必要となり、みんながみんなできるわけではないと思います。

そのような人のために「投資信託」というものがあります。「投資信託」とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。「集めた資金をどのような対象に投資するか」は、投資信託ごとの運用方針に基づくためそれを私たちは見たうえで判断する必要があります。

インデックス投資のススメ

この運用方針をベースに大別すると、投資信託は「アクティブファンド」と「インデックスファンド(パッシブファンド)」にわけることができます。

アクティブファンドとは、ファンドマネージャーなどが、運用方針にもとづき、たとえば、成長株や割安株を見つけて投資するやり方で、一般的には、「インデックス(日経平均やTOPIXなど)のパフォーマンスを上回る」ことを目標とする投資信託です。個別銘柄の選定や売買頻度が高いことなどから、コスト(信託報酬)が高い傾向にあります。

インデックスファンド(パッシブファンド)とは、インデックス(日経平均やTOPIXなど)と連動するようにポートフォリオを組むもので、個別銘柄選定など人件費等が抑えられるため、コストが低い傾向にあります。

一見すると、アクティブファンドのほうが成績が良いように見えますが、実際にはインデックスファンド(パッシブファンド)のほうが運用成績が良い場合もあり、かつ、なによりコストが低いことから、インデックスファンドを選ぶのが世の中の流れです。

現に、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が、自分が死んだ後のために妻に伝えている運用アドバイスが以下です。
「私のアドバイスはこの上なくシンプルだ。現金の10%を米国の短期国債に、残る90%を超低コストのS&P500のインデックスファンドに投資しなさい。ヴァンガードのファンドがいいだろう。この方針なら、高い報酬のファンドマネージャーを雇うどの年金基金、機関、個人の出す結果よりも長期にわたって良い成績を上げられると思う」

バフェットが言うのですから、我々も従ったほうが賢明でないでしょうか?

インデックス投資ならETF

インデックス投資をする際、購入する手段として「投資信託」と「ETF(上場投資信託)」の2つがあります。どちらも投資信託ですが、ETFはは証券取引所に上場され、株式と同様に売買されている投資信託になります。

両方とも、TOPIXやS&P500などの指標に連動した商品がありますが、わたしはETFを選ぶことをオススメします。投資信託はETFより圧倒的に商品数も種類も多いですし、分配金を自動的に再投資するというメリットがありますが、一般的にETFのほうが、購入時手数料や保有期間中の手数料(信託報酬)が安いというのメリットがあるからです。ただ、複利の効果を十分に受けるためには自分自身で再投資しないといけないという若干の手間が発生しますので、ものぐさ中のものぐささんは投資信託を買うという手もあると思います。

マネーマシン作り方(おすすめ銘柄)

以上前置きは長くなりましたが、最後にマネーマシンのための具体的な銘柄をご紹介したいと思います

おすすめポートフォリオ銘柄(基本編)

分散を意識した基本のポートフォリオです。株式を60%、債券を40%、それぞれの内訳も国内、先進国、新興国で分散させたものです。

国内株式MAXIS・トピックス上場投信(1348)10
先進国株式バンガード・トータルワールドストックETF(VT)40
新興国株式バンガード・FTSE・エマージングマーケッツETF(VWO)10
先進国債券バンガード・トータルインターナショナル債券ETF(BNDX)30
新興国債券バンガード・米ドル建て新興国債券ETF(VWOB)10

おすすめポートフォリオ銘柄(基本編-米国株重視)

分散を意識した基本のポートフォリオです。株式を60%、債券を40%、それぞれの内訳も国内、先進国、新興国で分散させたものです。先進国の中で、米国株および米国債券の割合を高めたものです

国内株式MAXIS・トピックス上場投信(1348)10
先進国株式バンガード・トータルワールドストックETF(VT)10
先進国株式バンガード・S&P500ETF(VOO)30
新興国株式バンガード・FTSE・エマージングマーケッツETF(VWO)10
先進国債券バンガード・トータルインターナショナル債券ETF(BNDX)10
先進国債券バンガード・米国総合債券市場ETF(BND)20
新興国債券バンガード・米ドル建て新興国債券ETF(VWOB)10

おすすめポートフォリオ銘柄(ものぐさ初心者編)

ものぐさな初心者さん向け?の米国株を中心としたポートフォリオです。現在の資産が日本円ベースの方を想定しています

先進国株式バンガード・S&P500ETF(VOO)100

マネーマシンの第一歩を踏み出そう

以上がマネーマシンの作り方になります。やってみて学べることも多数ありますので、まずは少額でもいいので投資をしてみてはいかがでしょうか?私は、現物取引では「楽天証券」、CFD取引では「IG証券」を使っています。普通であれば「楽天証券」や「SBI証券」等でよいと思いますが、今後を見据えて多様な資産クラスの取引をワンストップ行いたいともう方は、「IG証券」でも口座を開設してみてはいかがでしょうか?

IG証券

※CFDとは「Contract For Difference」の略で、日本語に訳すると「差金決済取引」となります。簡単に言うと、「差額だけをやり取りする」取引のことです。利益が出たら利益分のみ受け取り、損失が出たら損失分のみを支払う形で取引を行うため、現物の売買は発生しません。

まとめ

本記事では、マネーマシンの考え方と作り方、そしてポートフォリオと具体的な銘柄に関してご紹介しました。箇条書きでまとめると以下となります。

  • 「お金から解放される」ためには年収を増やしてもだめ。マネーマシンという不労所得の元が必要
  • マネーマシンを作るためには「投資」する必要あり。マイナスサム・ゼロサムゲームをさければ、必要以上におそれることはない
  • 投資の基本は「分散」と「長期」。リスク許容度に応じたポートフォリオをくむべし

今回の内容はそれなりに投資をしてきた人にとってはどれも当たり前のことですが、日本人の多くは知らない内容だと思います。是非みなさんも内容を理解し、実践することで、マネーマシンを作って、お金から解放されましょう!マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関しては、「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」の中で述べていますので、ぜひ合わせて読んでみてください

また、参考となる本を紹介しますので、ご興味あるかたはご覧になってください。