マネーマシンの作り方 ETFの選び方②

マネーマシンの作り方 ETFの選び方②

マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関して、「マネーマシンの作り方 ETFの選び方①」の中で述べました。基本はその中でご紹介した9本を組み合わせたポートフォリオである程度リスクを分散しながら、それなりのリターンを得ることができると思います。

本記事では、「ETFってたくさんあるけど、もうちょっと何かできないかな」と思われる方向けに、いくつかのバリエーションとおすすめ銘柄をご紹介します。

ETFのこだわり方①:世界への分散投資を考える

ETFでの投資は長期分散投資が基本となります。分散投資を考えた場合、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)が有力な候補となりますが、実はVTは
・全世界株式といいつつ、「米国株式」がほぼ半分
・新興国も含まれているが、いわゆるBRICsが中心
といったような特徴があり、全世界へ分散投資しているとはいいがたい状態です。

フロンティアへの投資

このVTではカバーしきれない国・地域を入れることでより分散を進めるためのETFとして、「iシェアーズ MSCI フロンティア100 ETF(FM)」があります。これはクェート、カタール、UAE、ナイジェリアなど中東・アフリカ地域のいわゆる「フロンティア」と呼ばれる国々の株式が入っており、一般的な新興国投資でカバーされない様々な国に分散して投資しています。

ニューエコノミーへの投資

世界経済の中心は長らく米国でしたが、昨今中国の台頭が目覚ましく、アリババやテンセントの世界のIT業界をリードする大企業が多数生まれてきています。しかし、日本国内から投資できる中国のETFには大手国有企業が多く含まれているものが多く、将来の成長が期待できる中国には投資したいが、国内政治の意向により左右される国内企業には影響を受けたくないという人々も少なくありません。そういった方々にとっては、「ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミーファンド(CXSE)」がおすすめです。組入れ銘柄は、テンセント、バイドゥといったインターネット関連、アリババ、JD.comのようなeコマース関連から、自動車の吉利汽車、保険大手の中国平安保険など、中国の民間企業を幅広くカバーしており、モーニングスターレーティングは★★★★★で、直近5年のトータルリターンは29%となっています。

また、中国だけではなく新興国の政府系企業を除く銘柄群に投資する「ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーファンド(XSOE)」もオススメであり、組入れ上位には、テンセント(中国)、アリババ(中国)、サムスン(韓国)、台湾セミコンダクター(台湾)、ナスパース(南アフリカ)など、テクノロジーのグローバルプレイヤーが名を連ねていて、モーニングスターレーティングは★★★★で、直近5年のトータルリターンは18%となっています。

ETFのこだわり方②:中小型株への分散投資を考える

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)のもう一つの特徴として、実は資産の構成比率の約75%が大型株あり、中小型株の組み入れ比率が低いという特徴があります。大型株の方が、値動きが安定している・配当性向が安定しているといったメリットがある一方、大きなリターンを狙いたい投資家にとっては物足りない一面もあります。そのような中で、できればリスク・リターンが高めの中小型株の割合を増やしたいという場合にオススメの銘柄が以下となります。

米国中小型株

米国株ですと、「iシェアーズ・コア S&P 中型株ETF(IJH)」「iシェアーズ・コア S&P 小型株ETF(IJR)」が候補として挙げられます。いずれもモーニングスターレーティングが★★★★、トータルリターンが10%以上となっています。

先進国(米国以外)の中小型株

先進国(米国以外)ですと、「バンガード・FTSE・オールワールド(のぞく米国)スモールキャップETF(VSS)」が候補として挙げられます。米国を除く全世界の先進国および新興国小型株市場を中心に投資しており、北米(米国以外) 15%程、ヨーロッパ 40%弱、日本15%程、アジア(除く日本)25%程の割合となっています。

新興国の中小型株

新興国ですと、「iシェアーズMSCIエマージング・マーケット小型株ETF(EEMS)」が候補として挙げられます。

ETFのこだわり方③:債券の分散投資を考える

いままでは株式を中心に議論してきましたが、次に債券に関して考えてみましょう。債券のポートフォリオをより分散したいという場合、社債やハイ・イールド債に投資するETFを追加するのがおすすめです。

社債ETF

国債が中心になりがちな債券への投資において、より分散を図るために社債を組み入れたいというときに「iシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)」が候補として挙げられます。

ハイ・イールド債券

ハイ・イールド債とは、利回りが高く信用格付が低い債券のことで、ジャンク債などともいわれます。イールド(yield)とは、収益、利回りという意味となります。格付会社などで信用格付がBB以下の評価をされている債券で、信用度が低い分、格付の高い債券より金利が高く設定されています。このハイ・イールド債により分散を行いたい場合には「SPDR ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券 ETF(JNX)」が候補として挙げられます。

ETFのこだわり方④:コモディティへの分散投資を考える

資産の分類を考える際、「経済が成長しているときに増えるもの」として「株式、社債など」があり、「危機の際に元本が守られるもの」として「現金、国債」があります。一方、「危機の際に価値が上がる(こともあるもの)」ものとして、金、銀、プラチナなどの貴金属類や原油やガソリンなどのエネルギー、トウモロコシや大豆などの穀物が挙げられます。

特に金は、「現物資産」であるために価値がゼロになるということはなく、世界中で「通貨」として認められている「カントリーリスクのない通貨」です。金は、債券や株式のように利息や配当を生まない資産なので、運用の主役にはなりえませんが、インフレ局面では、現預金の価値が目減りすることへの対策として現物資産である金を保有することが有効な対策となります。また、金は株式や債券との価格連動性が低い傾向があることから、ポートフォリオに組み入れることにより、運用資産全体の価格変動リスクを抑える効果が期待できます。

このようにコモディティである金に投資する場合には、「iシェアーズゴールド・トラスト(IAU)」が候補として挙げられます。

ETFのこだわり方⑤:高配当株式への分散投資を考える

ETFの値上がりを重視する人もいる一方、配当を重視する人もいます。特に、リタイアまたはセミリタイアして、配当収入で生活している人にとっては重要な収入源となります。そのような配当重視の方向けの商品をいくつかご紹介します。

バンガード・米国増配株式ETF(VIG)

VIGは10年以上連続増配の実績を持つ米国株に投資するETFです。

バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)

高配当利回りの米国株に投資するETFです。

ウィズダムツリー 米国中型株配当ファンド(DON)

配当を支払う米国の中型株を投資対象として、予想配当額に応じて組み入れ比率を決定。配当に対して株価が割安になった銘柄の比率を増やす一方で、割高になった銘柄の比率を減らすリバランスを行うため、ポートフォリオは相対的に割安な銘柄で構成されているETFです。

ウィズダムツリー 米国小型株配当ファンド(DES)

配当を支払う米国の小型株を投資対象として、予想配当額に応じて組み入れ比率を決定するETFです。一般的に小型株は収益が安定しないためハイリスクとなりますが、このETFの組み入れ銘柄は安定したキャッシュフローが期待できリスクは抑えられます。

マネーマシンの第一歩を踏み出そう

以上がマネーマシンの作り方になります。やってみて学べることも多数ありますので、まずは少額でもいいので投資をしてみてはいかがでしょうか?私は、現物取引では「楽天証券」、CFD取引では「IG証券」を使っています。普通であれば「楽天証券」や「SBI証券」等でよいと思いますが、今後を見据えて多様な資産クラスの取引をワンストップ行いたいともう方は、「IG証券」でも口座を開設してみてはいかがでしょうか?

IG証券

※CFDとは「Contract For Difference」の略で、日本語に訳すると「差金決済取引」となります。簡単に言うと、「差額だけをやり取りする」取引のことです。利益が出たら利益分のみ受け取り、損失が出たら損失分のみを支払う形で取引を行うため、現物の売買は発生しません。

まとめ

本記事では、マネーマシンの中核となる「ETF」のバリエーションをご紹介してきました。

より分散するために、株式においては、フロンティア、ニューエコノミー株や中小型株へ分散する。債券においては、社債やハイ・イールド債へ分散する。その他、コモディティや高配当株へ分散するといったことを紹介しました。

その他、いろいろなバリエーションも組めますので、是非ご自身の投資方針や特性に合わせて商品を選んでみてはいかがでしょうか?

また、参考となる本を紹介しますので、ご興味あるかたはご覧になってください。