最速の年収アップ術
転職のパターンと成功するキャリアアップの秘訣

最速の年収アップ術<br>転職のパターンと成功するキャリアアップの秘訣

前回の記事では、サラリーマンの年収はポジショニング(「業界」×「職種」)で8割決まることと、稼げる「業界」および稼げる「職種」の特徴とは何かをご紹介しました。

また、「業界」「職種」ともにライフサイクルというものがあり、それぞれの賞味期限が切れる前に次のポジションを模索し、シフトする重要性もご紹介いたしました。

この記事では、適切な「業界」「職種」についた後、さらに私たちの市場価値を高め、年収アップをはかるにはどうしたらよいかをご紹介します。

転職のパターンと成功の法則

転職のパターン

年収の8割はポジショニング(「業界」×「職種」)によって決まると述べました。したがって、まず適切なポジショニングをすることで自身の市場価値を適正化し、その後、キャリアアップを行うことで市場価値を高めていくことが重要となります。
以降では業界×職種の4つの転職パターン毎に、「転職のしやすさ(実現可能性)」と「年収アップの可能性」といった2つの観点でその有効性を評価していきます。

同業界×同職種の転職

 転職のしやすさ:〇、年収アップ:〇
転職先を選ぶ場合、今まで得た業界知識と職種経験を活かせる同業界・同職種を選択した場合、転職の成功率は高まります。また、今までに獲得した知識・経験・人脈を活かすことができるため年収アップの可能性も高い転職パターンと言えます。
 特に、当業界が成長しており、職種に対するニーズも高い場合、同業界・同職種の中でヒエラルキーを登っていくのがよいでしょう。一方、業界自体が成熟・衰退に向かっている場合等は募集自体が少ないのと、年収アップの可能性は低くなります。

異業界×同職種の転職

 転職のしやすさ:〇、年収アップ:〇
同業界・同職種での転職の次に成功する可能性が高いパターンです。今までに獲得した知識・経験・人脈をいかに活かすことができるかが成功のカギとなります。
このパターンの転職をする場合、「自分が属する業界が成長から成熟・衰退に向かおうとしている」といった場合が考えられますが、「自身が所属している現在の業界より遅れている業界」「現在の業界で得た知識を転用しやすい業界」を選択することで、転職の成功確率、年収アップの可能性は高まります。

同業界×異職種の転職

 転職のしやすさ:▲、年収アップ:△
企業側の視点で考えた場合、中途採用は欠員や事業拡大に伴って募集することが多く、基本的には即戦力を期待することになります。特に、業界知識や経験よりも職種知識や経験に対する期待は高いため、いままでの職種経験が活用できない転職の場合、転職の成功確率はかなり低くなります。また、仮に転職ができたとしても年収アップの可能性は低くなります。

異業界×異職種の転職

 転職のしやすさ。×、年収アップ ×
異業界・異職種への転職の場合、今までに獲得した知識・経験・人脈を全く生かすことができず、転職のしやすさ、年収アップの可能性ともに低い転職パターンと言えます。よって、このパターンを選択する場合は、自身が目指す方向性と現在のキャリアが全く異なる場合や、今属している業界・職種ともに魅力がない場合のみ選択すべきパターンといえます。

成功するキャリアアップの秘訣

人生100年時代といわれる時代が到来し、サラリーマン社会も年功序列の完全崩壊、ワークスタイル変革、ジョブ型への移行等、数々の変化が起きております。
そのような中でも、サラリーマン社会においてキャリアアップを成功させるためのいくつかの秘訣、年齢によっての成功の秘訣がありますので以降で紹介していきます。

20代の成功するキャリアアップの秘訣【正しくポジショニングする】

20代は自らのキャリアの基礎を形成する時期になります。一般的にキャリアの選択肢は年齢とともに広がっていくと思われがちですが、年齢とともに選択肢はせばまっていきます。逆に言うと、意図的に狭め・質を高めて、他の人とは異なるユニークなキャリアを形成していくことが年収アップにむけた秘訣となります。

よって、20代におけるキャリアアップは、まず、業界および職種のライフサイクルおよび将来性を見極め、正しいポジショニングをとることが最も重要な事項になります。この時期であれば、比較的難易度の高い異職種へ転職、さらに難易度の高い異業界×異職種への転職が可能な時期となります。

例えば20代であれば、小売業の販売・店舗運営といったキャリアを歩んでいたとしても、全く畑の異なる他業界・他職種(IT業界におけるSE)への転職も可能です。また、ポテンシャル採用による転職もしやすいため、比較的大きなキャリアチェンジができる場合もあります。

30代の成功するキャリアアップの秘訣【業界&職種ヒエラルキーを昇りつめる】

30代のキャリアは「できること」によって評価されます。よって、転職によって「できること」の質と量を高めるキャリアを選択していくことが重要であり、基本的には同じ業界・同じ職種内での転職がセオリーとなります。

例えば、先ほどの例で挙げたAさんが20代で小売業の販売・店舗運営からIT業界のSEへ転職したとしましょう。その後、30代で再度転職しようとした場合、一般ベンダー⇒サブプライムベンダー⇒プライムベンダー⇒コンサルファームというように同じ業界内のヒエラルキーを昇っていく、職種もSEからITコンサルへと昇っていくのがキャリアアップの典型的なパターンとなります。一方、30代で他の職種への転職は難しくなる傾向にありますので、職種変更を伴う転職は20代に実施しておくべきです。

次の40代での転職では、30代での実績をもとに更に専門性を深めていくことになりますので、30代では自分が勝負できる領域、成果を挙げれる領域でいかに実績を作っていくかが重要となります。

40代の成功するキャリアアップの秘訣【ニッチを極める、業界ずらし】

40代以上で転職をする場合、転職先が期待する領域において「成果を出せるか否か」「いままでどのような成果をだしてきたか」によって評価されます。年収アップを目指す場合、それに見合った相応の成果が求められるため、転職先からはかなりの即戦力であることを期待されます。

成功パターンとしては2つあり、1つ目が現職と同じ業界・職種で、他者が真似できない差別化を行うケースになります。例えば、先ほどのAさんの例でいいますと、ITコンサルとして活躍していく中で、医療関係のプロジェクトをいくつも経験し、医療関係の法規制(FDA Part11, CSV等)にも強くなり、ITコンサル×医療という領域を極めるといったケースです。もう1つが、自身が所属している現在の業界より遅れている業界に対して、得た知識を転用していくケースになります。例えば、比較的IT化が進んでいない農業業界に対して、IT×農業(いわゆるスマート農業)という切り口で自身のスキル・経験を活用していくケースです。

まずは自分の市場価値を知ろう

いろいろと書きましたが、まずは自分自身の市場価値を知ることがスタートとなります。私は以下のようなサイトに登録しています。みなさんもまずは自分の価値を知ることから、次のステップを考えてみてはいかがでしょうか?

ハイクラス求人 ビズリーチ リクルートダイレクトスカウト

まとめ

本記事では、サラリーマンが市場価値を高めていく方法をご紹介しました。箇条書きでまとめると以下となります。

  • 転職のパターンとして4つのパターンあり。基本的には、獲得した知識・経験・人脈を生かす転職パターンを選ぶべき
  • 20代は、業界および職種のライフサイクルおよび将来性を見極め、正しいポジショニングをとることが最重要
  • 30代は、転職によって「できること」の質と量を高めるキャリアを選択していくことが重要であり、基本的には同じ業界・同じ職種内での転職がセオリー
  • 40代は、ニッチを極める、もしくは業界ずらしが有効

ここ数回、「収入を増やす」にはどうしたらいいかをご紹介してきました。以降の記事では、収入を増やすのと同じくらい重要な「支出を減らす」ためにはどうしたらいいのかに関してご紹介していきます。