VYM:FIREを実現するための安定感抜群の高配当ETF。夢の年金生活を手に入れよう

マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関して、「マネーマシンの作り方(基本編)」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」の中で述べました。基本はそれらで紹介したETFを組み合わせたポートフォリオである程度リスクを分散しながら、それなりのリターンを得ることができると思います。
本記事では、「ETFってたくさんあるけど、もうちょっと何かできないかな」と思われる方向けに、注目に値する個別銘柄の1つである高配当米国ETFであるVYMをご紹介します。
VYMとは
VYMの概要
VYMの正式名称は、”VYM(VANGUARD HIGH DIVIDEND YIELD ETF)”です。dividend yieldは「配当利回り」を意味しますので、まさに高配当利回りETFを意味します。このVYMは「FTSEハイディビデンド・イールド指数」との連動を目指したETFで、全米国銘柄の中から大型株を中心に予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄で構成されています。
米企業は株主重視の姿勢が強く、配当政策をとても重視しています。企業業績が悪化してもおいそれとは減配せず、増配にもこだわる企業が多い傾向かあります。よって、優良銘柄を長期で持てば、株価上昇だけでなく、高利回りの配当も手にできる可能性が高いという特徴があります。よって「配当狙い」で米国株に投資する投資家も多く、VYMは人気ある商品となっています。
VYMの構成銘柄
このような特徴をもつ高配当米国ETFのVYMですが、どのような銘柄で構成されているかを見ていきます。
2021年9月25日現在、VYMの構成銘柄数は398銘柄となっており、構成銘柄上位10社は以下の表のとおりです。
1 JPモルガン・チェース
2 ジョンソン&ジョンソン
3 プロクター&ギャンブル
4 AT&T
5 インテル
6 ベライゾン
7 エクソン・モービル
8 コカ・コーラ
9 メルク・アンド・カンパニー
10 ファイザー
ジョンソン&ジョンソン、プロクター&ギャンブル、コカ・コーラといった日本でもなじみが深い米国を代表する高配当銘柄が並んでいます。ちなみに、今年のトップは投資銀行のモルガンチェースですが、昨年はMicrosoftが1位でした。しかしながら、昨今の株価の上がり過ぎて配当利回りの低下で除外となりました。成長しすぎた銘柄は外れ、市場平均を超える配当利回りの大型株で構成されるので配当というインカムをもらいながら、株式の成長も期待したい投資家には最適な商品といえます。
また、VIGの際にも紹介しましたが、プロクター・&ギャンブルは60年以上、ジョンソン&ジョンソンは50年以上増配を続ける企業などが組み込まれおり、どちらかというとGAFAなどに代表されるようなITの成長産業というよは、業績が好調の成熟企業が多くなります。
なお資産総額に占める上位10社の割合は約26%となっていて、かなりの割合を占めています。
構成セクター
続いてセクター比率をみていきましょう。
構成比率 | |
金融 | 18.3% |
生活必需品 | 14.4% |
ヘルスケア | 14.1% |
情報技術 | 10.6% |
公益事業 | 9.5% |
一般消費財 | 9.2% |
資本財 | 8.3% |
エネルギー | 7.1% |
通信サービス | 5.2% |
素材 | 3.3% |
金融がもっとも多くを占めていますが、好況時に強い金融・情報技術、不況時に強い生活必需品・ヘルスケアとバランスよく配分されています。米国株全体に投資するVTIと比べると、生活必需品・公益事業・エネルギー・通信サービスの比率が高く、よりディフェンシブな構成といえます。
高配当米国ETFであるVYMのパフォーマンス
それでは以降でVYMのパフォーマンスを見ていきます。比較のために、S&P500に連動するVOOを比べながら見ていきましょう。
直近10年間。S&P500には若干劣るパフォーマンス
VYMの株価チャートを見ていくと綺麗な右肩あがりですが、成長セクターの多いVOOと比べますとS&P500より若干劣っています(オレンジがVOO、青がVYM)

トータルリターンでみても、VOOに軍配はあがりますが、双方とも素晴らしいパフォーマンスであることは確かといえます。
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
VYM | 36.84 | 9.57 | 11.26 | 13.63 |
VOO | 39.28 | 17.21 | 17.69 | 16.96 |
VYM配当金
それでは続いて、VYMの最大の特徴である年別の分配金推移を見てみましょう。
年 | 年間分配金 | 利回り |
2011 | $1.33 | 2.94% |
2012 | $1.59 | 3.22% |
2013 | $1.75 | 2.81% |
2014 | $1.91 | 2.78% |
2015 | $2.15 | 3.22% |
2016 | $2.21 | 2.91% |
2017 | $2.40 | 2.80% |
2018 | $2.65 | 3.40% |
2019 | $2.84 | 3.04% |
2020 | $2.91 | 3.18% |
グラフで見ると分かる通り、2011年以降、分配金を積み上げていて、2011年以降は増配を続けています。
この10年で年間分配金は、約2倍強に成長しており、配当利回りも約3%と非常に安定的な配当を続けていることがわかります。コロナショックのあった2020年の増配し、直近3年平均、5年平均を大きく上回った数値であることからも、どんな環境下でも安定した配当を続けてくれるETFといえます。
高配当米国ETFであるVYMのメリット・デメリット
メリット
着実に分配金を増やし、配当利回りも約3%を継続的に続けている点。特に、配当金は、11年間連続増配中で、今後の増配にも期待がもてます
デメリット
一方で、株価、トータルリターンともに好調ではあるもののS&P500には劣ります。
買うべきか・買わざるべきか
トータルリターン・配当利回り・増配とバランスよくポートフォリオの中心となりえるETFだと思います。
しかしながら、VOO等S&P500に連動する商品に対しては若干の見劣りはするため、VOOをコアとし、サテライトとしてVYMを活用する。もしくは、ご自身のリスク許容度、出口戦略等を考慮してよりディフェンシブなポートフォリオにしたい時に活用するといった使い方になるかと思います。
まとめ
本記事では、マネーマシンの中核となる「ETF」のバリエーションとしてVYMをご紹介してきました。
まとめますと、
・ 米国高配当ETF
・ トータルリターンがS&P500には劣るものの高配当
・ 10年で年間分配金は、約2倍強に成長
・個人的には、 VOOをコアとした際のサテライトの1つ。よりディフェンシブなポートフォリオにしたい時に活用することをお勧め
その他、いろいろなバリエーションも組めますので、是非ご自身の特性に合わせて商品を選んでみてはいかがでしょうか? マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関して、「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」の中でも述べているのであわせてみてみてください。
コメントを書く