「住宅費用の目安」という真っ赤なウソと、住宅費用見直しの具体的方法

「住宅費用の目安」という真っ赤なウソと、住宅費用見直しの具体的方法

前回の記事では、5大支出の1つである「教育費用」について詳しく見てきました。その中で、世間でよく聞く「学歴なんて関係ない」は嘘であり、「学歴と年収は関係がある」ということ、将来の年収アップには幼少期の「非認知能力」教育が有効であることをご紹介しました。

この記事では、5大支出見直しの第二弾として、「住宅費用」に関して詳しく見ていきたいと思います。特に、世間でよく聞く「住宅費用の目安」は参考にすべきかどうか?ということと、若いうちは「住宅費用」を抑えるべき理由をご紹介したいと思います。

住宅費用の目安という真っ赤なウソ

みなさんは生活費の中で、住宅費用にいくら使っていますでしょうか?世の中の住宅情報誌や住宅情報サイトにおいては、

・収入の3分の1~4分の1程度
・手取りの3分の1程度
・手取りの20~25%

など、色々な情報がありますが何が正しいのでしょうか?結論としては、上記のいずれも「正しくありません」「多すぎ」です。首都圏等、家賃相場の高い場所であったとしても上記を基準にして住宅費用(賃料やローン費用)を決定してしまいますと、確実に生活を圧迫します。仮に生活できたとしても、将来に向けた生活資金や投資資金が不足してしまいます。

世間一般の住宅費用は5-10%

その根拠ですが、総務省の家計調査の情報を見てみますと、勤労世帯の1か月の生活費のうちの住宅費は5-10%となっています。全国の世帯を対象としているため地域によって割合の違いはあると思いますし、親から譲り受けているといった場合もありますが、世の中で言われている数字の1/3~1/2という金額です。

それでは、なぜこのようなに住宅情報誌や住宅情報サイトで出ている金額と、実際の支出に差があるのでしょうか?理由は、明らかで、住宅情報サイトでは「より購入額および賃料が高い物件に誘導したい」ことが原因だからです。

家計調査のデータでは、収入ー支出=貯蓄可能額が約3割ということですから、住宅情報サイトでは、貯蓄にまわすべきものを住宅費に回すよう誘導していることになります。

住宅費用は貯蓄し投資することでマネーマシン(不労所得)になりうる

それでは住宅情報サイトの目安(例えば収入の25%)で支出した場合と、家計調査の情報(5%)を支出した場合で10年間でどれだけの差になるのでしょうか?

・仮に年収を500万とした場合、支出の差は20%なので、年間100万になります

・この100万円を貯蓄に回し、10年続けることで1000万円の貯蓄が可能です。

・次に、この1000万円を運用しましょう。仮に米国ETFバンガード・S&P500 ETF(VOO)に仮に投資した場合、年間平均リターンが15%ですので、概算ですが

 5年で2倍の2000万円

 10年で4倍の4000万円

となることが期待されます(当然ながらこれらは確約されるものではありません)

長期期間投資すればするほど、上記の効果は高くなり、リスクは低くなりますので、若いうちに住宅費用を抑えて貯蓄率を上げて原資を確保し、長期投資に回すことをお勧めします。

住宅費用見直しの優先順位

住宅費用を抑え、貯蓄に回し運用することが、将来的なマネーマシン(不労所得を生み出す仕組み)を作り上げるための重要なステップになりますが、どのように住宅費を削減していけばよいでしょうか?以降で、具体的なステップをご紹介します。

実家暮らし

まず、実家暮らしという選択肢を考えましょう。これにより、住宅費をゼロにでき、それに付随する費用(食費・光熱費等)も削減することができます。実家暮らしをすることにより、親からの干渉を受けずに自由に暮らせる、自立心を生じる等のメリットも非常に重要ですが、若いうちに貯蓄し、それを長期運用することの金銭的メリットもはかりしれませんので、双方比較の上、決定することをお勧めします。

社宅(会社制度の活用)

次に、会社に社宅などの諸制度があるのであれば、積極的に活用検討をしましょう。一般的に社宅等は立地が良く、家賃相場に比べると非常に安価です。プライベートでは会社の人と会いたくない人もいらっしゃると思いますが、5~10万円程削減できるケースもありますので、選択肢にいれることをお勧めします。

公営住宅

「公営住宅」(都営住宅や市営住宅)等も選択肢の1つとなります。一般的に、最新設備などはありませんが、一定水準以上の生活ができ、なおかつ家賃が安いためコスパは優れていると思います。地域によっては、かなりの競争率だと思いますが、公営住宅の状態・住環境が良ければ選択肢の1つとして考えるのがよいでしょう。

物件条件の妥協

いままでの選択肢は、他者から金銭的支援を受けた方法でした。
・実家暮らし:実家から金銭的支援を受けている
・社宅等(会社制度の活用):会社から金銭的支援を受けている
・公営住宅:自治体から金銭的支援を受けている
上記以外の方法で住宅費用の削減をしようとした場合、次は自らの物件に対する条件を見直す、妥協することが必要となります。具体的には
・地域・沿線・駅
・駅からの距離
・設備・築年数 など

コロナ禍でリモートワークに切り替わってきています。利便性に対する優先度を下げ、都心から離れる・地方移住を検討するなども、選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、5大支出の1つである「住宅費」に関して考えてきました。箇条書きでまとめると以下となります。

・住宅情報誌や住宅サイトにある「住宅費用の目安」という情報は真っ赤なウソ

・住宅費は極力抑えるべき、これによって将来のマネーマシン(不労所得)を作ることができる

次回の記事では、「住宅費用の目安」と同じぐらいよく話題でる「賃貸vs購入論争」についてご紹介していきます。