SOXL:マネーマシンの作り方 個別銘柄編 5年で22倍驚異のパフォーマンス

SOXL:マネーマシンの作り方 個別銘柄編 5年で22倍驚異のパフォーマンス

マネーマシンの中核となるETFの選び方および具体的な銘柄に関して、「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」の中で述べました。基本はそれらで紹介したETFを組み合わせたポートフォリオである程度リスクを分散しながら、それなりのリターンを得ることができると思います。

本記事では、「ETFってたくさんあるけど、もうちょっと何かできないかな」と思われる方向けに、注目に値する個別銘柄の1つであるSOXLをご紹介します。

SOXLとは

SOXLの概要

SOXLの正式名称は “Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares ETF”で、フィラデルフィア半導体株価(通称SOX)指数を参照する、レバレッジ3倍(ブル)型の、米国ETFとなります。なかなか馴染みのない用語が含まれますので、以下で説明します。

フィラデルフィア半導体株価(通称SOX)指数

フィラデルフィア半導体株指数は、米国の主要な30の半導体関連銘柄で構成された株価指数であり、それらの時価総額加重平均で算出しています。半導体セクターは、景気敏感株と呼ばれており、SOXLは景気動向に先行する指数と考えられています。

レバレッジ3倍(ブル)型

レバレッジとは梃子を意味し、金融の世界ではデリバティブ取引を用いて実際の投資金額以上の取引を行うことを指します。株価指数のレバレッジ型ETFでは、投資された資金を担保に、指数先物と呼ばれるデリバティブ商品を売買します。レバレッジ3倍型の場合、先物を投資金額の3倍分売買するため、投資のリターンもほぼ3倍になるというわけです。“ブル型”は購入、”ベア型”は売却を意味しており、ブル型は指数が上昇したとき、ベア型は下落したときに利益がでます。SOLXはレバレッジ3倍(ブル)型ですので、SOX指数先物を、投資金額の3倍購入しているということになります。

コスト

経費率は0.99%とレバレッジ商品らしく、VT(0.08 %),VOO(0.03 %)などのメジャーなETFと比べると高めですが、それでも日本のレバレッジ型投資信託よりは安価に設定されています。

ポートフォリオの中身

2021/07現在では、エヌビディア、クアルコム、インテルなどの超有名な半導体企業や、米国に加えて中国・台湾・オランダの企業も組み入れられています。以下が上位構成銘柄です。

いずれも大企業であり、銘柄としてはグロース株として分類されるものが殆どです。米国企業が指数の8割以上を占めますが、各企業の取引先は世界中に分散しているため、グローバル景気との相関が強い商品です。

SOXLが注目される背景

それでは次に、なぜSOXLが注目されるのかに移ります。

半導体は「産業のコメ」とも呼ばれており、ほぼすべての電化製品に使われている部品です。世界的なPCやスマートフォンの普及に加え、途上国・新興国におけるIT化の進展、IoT、AI社会の到来、さらに、昨年のコロナウイルスによって企業活動のクラウド化、在宅勤務やテレワークの普及など、ますます半導体の需要は高まっている状況です。

その結果、ここ数年は世界的な半導体不足に陥っており、半導体の供給遅れにより、自動車の納品が遅れる事態が世界中で見られています。こうした背景から半導体を製造・設計・販売を行う半導体関連の企業の株価は上昇、半導体セクターもここ数年で驚くべき上昇率を記録していますし、今後も上昇が期待されています。

SOXLの魅力はやはりそのパフォーマンスです。実際のパフォーマンスを米国人気ETFと比較してみてみましょう。

5年で約18倍という驚異のパフォーマンス!

上記は過去5年間(2016年~2021年)のチャートですが、SOXLは+1761%です。同期間のS&P500は+101%ですから、圧倒的なパフォーマンスであることを理解できると思います。

コロナでは株価が5分の1へ。そして底値から株価が一時11倍上昇!

最大45倍と驚異的なリターンを実現しているSOXLですが、レバレッジ型なので、暴落時には急激に下降するのも特徴です。コロナショックでは、巣篭もり需要が増えたため、テクノロジーが直ぐに持ち直しました。

2021年初来で+約28%! かなり上下に激しく動いています

2021年に入ると大きな下落と上昇を繰り返しており、ボラリティが大きな値動きとなっています。

SOXLのメリット・デメリット

メリット

過去5年間で+2200%の圧倒的なパフォーマンスがSOXLのメリットです。このリターンは驚異的です。

デメリット

一方、SOLXのデメリットはそのボラティリティです。SOXLは暴落と急上昇を起こしやすいETFですので、ご自身のリスク許容度を把握したうえで取り扱わないと、被る損失に耐えきれない可能性があります。

現に、SOXLの運用会社であるディレクションも以下のような説明をしています。
・レバレッジは短期的に利益を上げる強力なツールである
・レバレッジを利用した「取引」と「投資」は異なると知るべき。レバレッジは特有のリスクがある
・レバレッジリスクを理解し、投資を積極的に管理している投資家のみが利用する必要がある

SOXLの買い方

半導体の需要は堅実であり、今後も需要が継続して増えることが想定されます。SOXLのチャートを見ますと暴落がありつつ、右肩上がりです。しかしながら、ボラティリティがあまりにも大きいので、買い時によっては、大きな損失を追うリスクもあり、ポートフォリオの中核として運用するのはオススメできません。

個人的には、以下のような買い方をしていますが、皆さんのご意見を聞きたいところです。
・長期投資においては、コア・サテライト戦略のサテライト担当として、攻めの資産として位置付ける
・短期投資においては、下がった時に買って、ある程度値上がりしたら売却

マネーマシンの第一歩を踏み出そう

以上がマネーマシンの作り方およびSOXLの買い方になります。やってみて学べることも多数ありますので、まずは少額でもいいので投資をしてみてはいかがでしょうか?私は、現物取引では「楽天証券」、CFD取引では「IG証券」を使っています。普通であれば「楽天証券」や「SBI証券」等でよいと思いますが、今後を見据えて多様な資産クラスの取引をワンストップ行いたいともう方は、「IG証券」でも口座を開設してみてはいかがでしょうか?

IG証券

※CFDとは「Contract For Difference」の略で、日本語に訳すると「差金決済取引」となります。簡単に言うと、「差額だけをやり取りする」取引のことです。利益が出たら利益分のみ受け取り、損失が出たら損失分のみを支払う形で取引を行うため、現物の売買は発生しません。

まとめ

本記事では、マネーマシンの中核となる「ETF」のバリエーションとしてSOXLをご紹介してきました。
まとめますと、
・フィラデルフィア半導体株指数の3倍の運用を目指す米国ETF
・半導体はAIなど今後成長するテクノロジーに必要なものであり、今後の成長も期待される
・ SOXLは最大45倍の値動きの激しいETF
・個人的には、長期投資ではコア・サテライト戦略における「サテライト」。短期投資では、値下がり・暴落時に仕込むことをお勧め

その他、いろいろなバリエーションも組めますので、是非ご自身の特性に合わせて商品を選んでみてはいかがでしょうか?迷う方は、 「マネーマシンの作り方(基本編)」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方①」「マネーマシンとはの作り方 ETFの選び方②」 などをぜひ見てみてください。

また、参考となる本を紹介しますので、ご興味あるかたはご覧になってください。